現代人は食物繊維の摂取量が少ない。
誰もが知っている文言ですが、具体的にどれくらい不足していて、
何をどれ位摂取すればよいのか知っている人は少ないと思います。
1.そもそも食物繊維とは
食物繊維とは、食物内に含まれる難消化性成分の総称となります。
要は人が消化して栄養素として吸収できないものを纏めた成分ですね。
昔は栄養素のないカス扱いでした。
昆虫や一部の動物と違って人には分解できる酵素はないので、いらない子扱いだったようです。
植物や海藻、菌類の細胞壁を構成する成分で、そのほとんどセルロースです。
あまり知らない人も多いですが、実はグルコースが沢山結合した多糖類であり、れっきとした糖類なんです。
水に溶けやすい水溶性と、溶けにくい不溶性に分けられ、それぞれ様々な作用があると言われています。
2.何故摂った方がいいのか
当初はいらない子扱いであった食物繊維ですが、医学の進歩とともに様々な効果があることが分かり、必要な成分として見直されています。
効果としては以下の様な報告が挙がっています。
・食後高血糖の抑制
・糖質や脂質の吸収抑制
・大腸の運動改善
・腸管免疫の維持/改善
・疾患予防効果
動脈硬化抑制、大腸癌発症率抑制
消化管感染症の抑制
特に、ここ数年は腸管免疫という用語が医学/科学界でもhot topixです。
元々ある程度は言われていたものの、腸管が栄養吸収以外の機能を持っているというもので、特に全身の動脈硬化や免疫と深いかかわりがあるといわれ始めています。
心筋梗塞や脳梗塞もそうですが、認知症や自己免疫疾患、果てはパーキンソン病との関連も示唆され始めています。
3.どれ位摂ればいいのか
成人では24g/日が必要とされています。
小児における摂取量は基準がなく、生活習慣病との関連も不明です。
しかし前述のような免疫疾患への影響を考慮すると摂取は推奨され、3-5歳で8g/日程度が良いとの報告が挙がっています。
JAMA. 2019;321(11):1081-1095.
gとかmgとか言われてもいまいちピンとこないと思いますので、具体的な量を写真にすると、、
出典;農林水産省 九州農政局(野菜の一日摂取目標)
皆さん摂れてますでしょうか。殆どの方が取れていないと思います。
サプリメントに関してはお勧めできません。
こちらも詳しくはいずれ。
4.参考文献
➀WHO 「食事、栄養と生活習慣病の予防2003」
②厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020
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それではまた。