日本は先進国の中で口腔環境が悪い。
歯科ではよく言われていることです。
無論世代にもよりますが、歯周炎の罹患率や歯の欠損率が非常に高いのは有名な話です。
生活習慣病と同じですが、普段は気にも留めず、
放っておくと大変なことになるのが典型的ですね。
そうなると将来多額の医療費を払うことに。。
健康リテラシーを高める必要があるということです。
1.歯周炎とは
ブラッシングやデンタルフロスを怠り、歯周炎の原因になる細菌群が口腔内で増殖、歯肉(はぐき)に炎症が起きている状態です。
2.何で放置するとまずいのか
放っておくと歯肉が退縮し、歯間が離れ、
最終的には抜け落ちてしまいます。
その過程で齲歯(うし;虫歯)になる事も多く、
歯の着色や口臭の悪化、歯肉からの出血や痛み、
知覚過敏等を起こすことがあります。
参考:高岡歯科医院
余談ですが、上記歯科医院はいつも通っている歯科医院です。
いい加減な歯科医院が多い中とても丁寧でおすすめです。
上図の様に、次第に細菌がたまる空間が拡大していき、常に炎症が持続、最終的には歯のセメント質や歯槽骨等を破壊するに至ります。
細菌は粘膜を経由して体内に侵入、炎症を引き起こすことが確認されています。
そのため様々な疾患につながると言われるようになりました。
以下の様な報告が挙がっています。
慢性腎不全等
・感染性疾患 感染性心内膜炎
膿瘍(脳膿瘍、腸腰筋膿瘍等)
・糖尿病
・関節リウマチ
・骨粗鬆症
・胎児発育不全
また前回の記事にも書きましたが、
腸管免疫にも影響を及ぼす事が分かってきています。
口と腸はつながっていますので、納得いく話です。
3.対処方法
対処法は以下の五つとなります。
➀歯を磨く
磨き方と頻度、時間が問題となります。
なんとなくでは磨き残しも多く、特に歯間や歯肉の入り口を磨かない人が殆どです。
基本的にはブラシを横にして密着させ、ゆっくりと左右に細かく動かすことが重要です。
早く、強くは殆ど意味がないと言われています。
電動を使用している場合は、ヘッドの動きが左右に動くタイプを選ぶとよいでしょう。
磨き残しとして多いのが奥歯です。奥歯の、さらに奥は注意してください。
歯磨き粉には色々ありますが、フッ素濃度が高く再石灰化を促進するタイプがいいでしょう。
②デンタルフロスを使用する
歯間を掃除しないのは歯を磨かない事とほぼ同じです。
可能であれば毎日、少なくとも週2-3回は行う必要があります。
いわゆる歯間ブラシと言われる太いものはお勧めできません。
連続使用により歯間が拡大するとの報告もあり、糸ようじがお勧めです。
③舌ブラシを使用する
舌苔(ぜつたい)といわれ、表面にも細菌叢がごっそりついています。
口臭の原因にもなることがあり、毎日掃除することが望ましいです。
ブラシは柔らかく舌を傷つけないものがいいでしょう。
こちらは新潟大学が開発したソフトタイプのもので、私も愛用しています。
④マウスウォッシュを使用する
これについては懐疑的な意見も多いです。
使用して数分後には、ほぼ細菌の数が元に戻っているとの報告もあります。
しかし、上記の様なケアを徹底している人であれば補助にはなると考えられます。
少し長くなりましたが、
これでも大分端折っています。
歯磨き一つとってこれだけ語れるのです。
他にもこういった話がごろごろありますので、今後少しづつ話せて行けたらと思います。
ではまた。