紅茶「も」美味しい。
香りもさることながら、水色(すいしょく)も楽しく、
食事にも間食にも合う優れものです。
珈琲同様、紅茶にも健康的な効用があるのではとの報告があります。
しかし珈琲ほどではなく、特に緑茶の報告が日本では多いです。
なのでわかっている範囲で御紹介します。
1.紅茶の効用
紅茶に含まれる成分は、珈琲以上に多彩です。
効果もまだ十分に分かっていないことも多く、
統計学的に確度の高いものは殆どありません。
しかし日本を中心に、カテキンやポリフェノールの効用が多数報告されています。
珈琲同様、日常生活に取り入れることは長期的な目線では利益があると考えています。
以下の様な報告が挙がっています。
・糖質と脂質吸収抑制→動脈硬化の抑制
・認知症の予防
・殺菌作用
糖質と脂質吸収抑制
両者ともポリフェノールの、特にフラボノイド類とフェノール酸の効果が多数報告されています。
フラボノイド類は6種類あり、その中のフラバノールにカテキンが含まれます。
食事に紅茶を追加した症例の血糖値が低下したことや、すい臓からのインスリン分泌が制御されたこと、果ては既に進行している頸動脈硬化症に対する効果を指摘する文献もあるほどです。
上記を踏まえて、2,003年にはWHOからも正式に声明が出されました。
「血管障害リスクの低減機能は”possible”である」
とのことです。
認知症の予防
これは他の成分と同様で、長期的な効果に関して確たる報告はありません。
しかし、珈琲と同様に抗酸化作用が指摘されており、それが遠因的に認知症の予防になる可能性が指摘されています。
こちらもカテキンによる報告が多く、緑茶が特に注目されています。
殺菌作用
こちらに関しては意見がかなり分かれています。
歯の記事にも書きましたが、マウスウォッシュで洗っても細菌叢は直ぐに元に戻ることを考えると、少量のお茶を飲んだところで臨床的に影響があるとは言えないと考えるのが普通です。
しかし近年、お茶由来のポリフェノールの定期的な摂取により、腸内細菌叢に変化があるとの報告が挙がっています。
当初はマウスでの変化のみでしたが、現在はヒトでの報告も見られるようになっています。
主な内容としては他の文献と同様、カテキンを栄養として代謝する良い細菌群が増えるためと考えられているようです。
食物繊維と似た要素を感じます。
2.摂取量と方法
推奨される量というのは現状ありません。
どちらかというと、カフェインの過剰摂取に注意する程度でしょうか。
参考値ですが、一般的な紅茶1杯には30㎎のカフェインが含まれ、珈琲は60㎎です。そう考えると、珈琲は4-5杯以下であり、紅茶はその2倍とすると8-10杯となるでしょうか。
そんなに飲む人はいないと思いますが。
摂取する時間は、食事の前後30分以内がい良いでしょう。
脂肪や糖質の吸収を抑えることを目的としているためです。
過剰摂取に関して、あまり気にしなくてもよいと思いますが、タンニンも注意が必要との記載がありました。
タンニンは鉄の吸収を抑制する作用があり、過量摂取では鉄分の吸収量が低下する可能性が示唆されています。慢性的な貧血がある人は積極的には摂取しない方がいいかもしれません。
余談ですが、紅茶も珈琲も基本的には暖かいものをお勧めします。
時折は清涼感を味わうためであればよいですが、習慣的には体を冷やすためです。
紅茶に関しては個人的に好きな銘柄が幾つかあるので、
今度別記事で書こうかと思います。
ではまた