今回は少し番外編です。
実体験に基づいた注意喚起になります。
一酸化炭素中毒で入院しました。
入院期間は1日と短く、症状も軽症で済みました。しかし体調不良が持続しており、後遺症の懸念もあるため記事にします。
経過
某日夕に暖房器具が壊れました。その日は気温も低く、日が落ちるに従い寒くなっていました。
止む無くキャンプで使用している炭を火鉢で使用し、換気をした状況で15時から19時まで使用しました。鎮火してから3時間後に就寝しました。
嘔気と嘔吐、頭痛で22時に起床し、異変に気が付きました。
頭部全体に締め付けるような絞扼痛があり、胃の不快感と嘔気で悶絶しました。その後合計6回嘔吐しましたが、発熱もなく腹痛もないので感染性胃腸炎にしてはおかしいと思いました。
病院を受診し、念のため炭の使用を伝えたところ、採血で一酸化炭素中毒と診断されました。
即入院となり、直ぐに高圧酸素療法を受けました。
以降嘔気と頭痛は迅速に改善し、翌日に退院となりました。
一酸化炭素中毒について
一酸化炭素とは、炭素を含む物質が不完全燃焼により酸化された際に生まれる気体になります。無色無臭であり、発生していることに気が付かないことが多いです。
東京消防庁<安心・安全><トピックス><住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意!> (tokyo.lg.jp)
上図は東京消防庁が掲載している一酸化炭素による事故発生状況統計です。思ったほど多くはないことが分かりますが、その中に入ってしまいました。。
そのほとんどは炭が原因で、換気が不十分であったり、部屋の構造上溜まりやすい場合に起きることが多いです。
症状の重さは4割は軽症で、3割が中等症、2割で重症となります。
軽症ではめまいや頭痛、嘔気ですみますが、
中等症以上では意識障害や痙攣等が見られます。
重症では呼吸機能障害や心機能障害、中枢神経に異常を来します。
また発症から2日~数か月で遅発性中枢神経障害を来すことがあり、一旦改善しても注意が必要です。全症例の10%でみられ、高齢や重症度が高い場合に起きやすいことが報告されています。
また、軽症例でも脳波や脳MRIでのみ変化が見られた軽症例もあり、注意が必要です。
治療について
基本的には酸素投与と対処療法です。
高濃度酸素や高圧酸素療法が基本で、呼吸状態や血圧の変動があれば対処することになります。
睡眠不足含め疲労回復にも使用できますので、ご参考までに。
根本的な治療や起きた障害を改善する治療がないため、可能な限り早期に発見し、酸素投与をする必要があります。
特に高圧酸素療法は唯一の治療方法で、施行できる施設も限られるため、可能性がある場合は搬送/受診時の病院選びを慎重に行ってください。
遅発性中枢神経障害も治療薬はありません。
しかし、一部報告では、漢方薬である釣藤散に予防効果が報告されています。
また、後遺症としての頭重感等にも効果があるようで、唯一の手段とも言えます。
注意事項
炭を使用すること自体が悪いとは思いません。
燃料費は安く、ぬくもりも感じます。
しかし想像以上に換気を要し、部屋の構造上籠りやすいことがあります。
事故件数自体もそこまで多くないものの、程度によっては後遺症が残ることが問題です。
換気に関して言えることは、可能であれば前後左右の2方向へ空気が出入りする換気を心がけてください。
頻回の嘔吐の影響か、あるいは後遺症なのか、私も全身のだるさと筋肉痛が取れずにいます。
食欲もあまりなく、食べると嘔気が出現する状態です。
釣藤散を試してみようと思うので、また記事にするかもしれません。
ではまた