日々平穏

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なんちゃって美食家を目指して

火山の噴火と健康被害

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3月2日、イタリアのエトナ山インドネシアシナブン山が噴火しました。

ここ最近地震と火山の噴火がやや多い印象があります。

 

スマトラ島沖等のインドネシア近郊で地震が起きた後に、東日本大震災が起こったことは有名で、地震と火山活動の連動に関しても指摘があります。

 

日本で最も被害が大きいのは富士山でしょう。

 

富士山が噴火する可能性はあるのか、その際どの様な健康被害が考えうるのか、調べてまとめてみます。

 

 

 

日本の火山と噴火の可能性

2017年時点で、日本には111の活火山が存在します。日本の国土は小さくはないものの、この数は非常に多いです。

 

以外ではありますが、活火山の定義は「過去一万年以内に噴火した火山及び活発なな活動のある火山」とされています。

 

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出典:気象庁「我が国の活火山の分布」

 

富士山の噴火はわかっているだけで17回に上り、地質学的にも多数の痕跡が残っています。最後の噴火は1707年の宝永大噴火で、2週間に渡って断続的に噴火し、農地が灰で覆われ餓死者が続出したとの記録があります。

 

以降も噴気活動は度々見られており、1854年地震後や2000年、2008年、2011年にも地下深部の膨張や地震が確認されているようです。

 

噴火は何れも100年周期であり、300年起きていない現状がある意味では異常なんだそうです。そうなると、今後南海トラフ震源とした地震をきっかけに噴火する可能性はあるとのことです。

 

 

火山噴火による被害予測

想定される被害は以下が挙がります。

 ・溶岩流

 ・火山灰

 ・火山ガス

 ・火砕/土石流

 ・噴石

 

特に身近な上三つについてまとめます。

 

溶岩流

火口の場所や噴火の程度にもよりますが、概ね下図の様な範囲で被害が想定されています。

 

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出典:静岡県「富士山ハザードマップ

 

ここには日本物流の大動脈である東名高速や、東海道新幹線も含まれるため、運輸や交通は大打撃を受けるでしょう。

 

火山灰

噴火により巻き上げられた灰が広範囲に降り注ぐことが予想されています。その範囲は非常に広く、特に南関東全体で被害が想定されます。

 

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出典:静岡県「富士山ハザードマップ

 

しかもこれは1701年の宝永大噴火の被害予想であり、今後富士山が噴火した場合はより広範囲で降灰量も多いとの予想が大多数です。

 

前回の宝永大噴火では、49日間降り注いだとと記録されており、その間被害が出続けることになります。降灰により飛行機も飛ばず、陸のみならず空の物流も滞るでしょう。

 

 

火山ガス

マグマに溶けていたガスが気体となり噴き出したものです。殆どは水蒸気ですが、二酸化硫黄や硫化水素、塩化水素、二酸化炭素等が窪地や風通しの悪い地形にたまることがあります。

 

離れた地域であればそこまで神経質になる必要はありませんが、ある程度離れた場所でも健康被害が報告されています。

 

1986年アフリカのカメルーンで噴火後の火山ガスにより1734名が死亡、7000頭の家畜が死亡する事故が起きています。これは近隣の湖に流れた溶岩からガスを漏出したためです。数km離れた場所でも被害が報告されており、油断は禁物です。

 

 

火山噴火による健康被害と対策

今回の記事の本題です。

具体的にどの様な対策が必要なのか記載します。

是非参考にしてみて下さい。

 

主な被害部位とその対策としては以下が挙がります。

 ・肺の保護

 ・眼の保護

 ・皮膚の保護

 

肺の保護

火山灰の吸引による健康被害は、1980年のアメリセントヘレナ山噴火の報告が詳しいです。日本でも三宅島噴火時の健康被害についていくつか報告があります。

 

それによると、太い気管支へのアレルギー反応(気管支喘息等)が多いものの、細い気管支にも到達し間質性肺炎を引き起こすことが報告されています。

 

つまり、火山灰が降っている間はマスクで吸入量を減らす必要があるのです。先も記載した通り、宝永大噴火の際は実に49日も降灰が見られたことから、その間十分な防御が必要となります。

 

また、通常の不織布マスクでは効果は非常に薄いです。火山灰の大きさは最低で0.1μmともいわれており、花粉が30μmであることを考えると非常に小さいことが分かります。そのため不織布マスクではフィルター機能が不足しているのです。

 

また密着度も問題となります。今回のコロナ騒動でも言われていますが、マスク着用の際隙間が空いていると効果が激減するため、密着させる必要があります。

 

これは火山灰でも同様で、ある程度顔に密着するタイプの防塵マスクが必要となります。

 

 

私はシゲマツの防塵防毒マスクを準備しています。吸引管を硫化水素用とし、フィルターもつけています。

 

 

 

眼の保護

火山灰が眼に入るとアレルギー反応により結膜炎を引き起こします。それによるかゆみで眼をこすると、火山灰により角膜が傷つき、最悪剥離することがあります。

 

特にコンタクトレンズを装着している方は要注意で、コンタクトレンズと角膜の間に火山灰が入ると大変なことになります。噴火時は眼鏡を装着することをお勧めします。

 

また、ゴーグルは必要です。顔にフィットするものがいいでしょう。

 

 

 

皮膚の保護

特に皮膚が弱い、皮膚疾患がる、アレルギー体質の方は注意ですが、皮膚に火山灰が付着しアレルギー反応を起こすことがあります。かゆみや湿疹が出現し、掻いてしまうと悪化することが予想されます。

 

レインコートやポンチョ、笠等が必要で、顔や首、手足も外気にさらさないように防御するのが良いと思います。なにより粒子が細かいため、すり抜けた粒子をぬぐえるウエットティッシュがあると良いと考えています。

 

 

 

南海トラフ地震同様、いつ来てもおかしくないと言われて早数十年ですが、かといって地震大国、自然災害大国である以上、備えあれば患いなしでしょう。

 

災害セットを作り、部屋に備えることをお勧めいたします。

 

ではまた