日々平穏

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なんちゃって美食家を目指して

睡眠01 睡眠不足の現状と原因

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現代人は睡眠時間が短い。

 

Short sleeperなんていう言葉があるように、

生産効率であったり、生活習慣であったりと、

理由は様々ですが短い人も多いようです。

 

しかしその変化が肉体にどんな影響があるのか、

未だ十分には分かっていません。

 

しかし近年睡眠不足による変化について、

多数の報告が上がる様になりました。

今回はそれを踏まえ、わかっている範囲で書こうかと思います。

 

 

1.日本人の現状

日本人の睡眠時間は減少傾向にあるようです。

以前から御案内している「健康日本21」にも記載がありますが、就労環境や生活習慣、精神的な要素も相まって、睡眠時間が少ないひとが増えています。

 

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    出典:厚生労働省「睡眠時間の国際比較」

 

2.睡眠不足の健康被害

睡眠障害睡眠時無呼吸症候群生活習慣病も増加傾向にあり、その関連性が指摘されています。

 

直接的に影響しているわけではないにせよ、原因の一つになっているのは疑いようがありません。

 

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出典:厚生労働省「睡眠不足と睡眠時無呼吸症候群の関係」

 

上図は睡眠時間と疾患の関連性を表した図です。

主に生活習慣病との関連性が報告されています。

 

日本では、京都大学が行った7,000人もの患者を集めたコホート研究があり、こちらでも同様の結果が出ていました。

 

コホート研究とは、特定の原因を持った方とそうでない方を追跡し、疾患の発症率等を調べる観察研究の一種です。やや確実性に欠けるものの、判断基準にはなるため参考とします。

 

academic.oup.com

 

以前にも書きましたが、若年者でも睡眠不足によって、脳内に認知症の原因と言われるアミロイドβが蓄積することが分かっています。

 

睡眠不足と認知症の関連は、恐らく強いと考えられます。こちらにReview articleを添付しますので、興味のある方はどうぞ。

 

academic.oup.com

 

3.原因

以下の様な原因が想定されます。

 ・就業環境

 ・生活習慣 

 ・健康意識の欠如

 

就業環境

夜勤やシフト制就業、残業等により睡眠が不規則になる方が増えています。睡眠時間も短くなっており、この30年その傾向がずっと続いているのが現状です。

 

これは日本経済の低迷とも関係していると言われています。

旧態依然としたbusiness modelや、変化しない生産性から賃金が低下し、その分時間をかけなくてはならないためでしょう。

国は税金を増やす一方で、国民の意識も低く欲がないため新しいものが生まれませんでした。

 

生活習慣

上記賃金の低下も影響していますが、食の変化と運動習慣が関係しています。

食の西洋化で脂質摂取が増加し、安価で手に入る消費を目的とした食品が蔓延しています。

 

運動習慣も同様で、ここ数年はスポーツを行う方が増えていますが、今の40歳以上の方は基本的に趣味でもなければ運動習慣がありません。

仕事と家庭で手一杯で、手が回らないというのもあるのでしょう。

 

健康意識の欠如

何より大きいのが意識の問題でしょう。

健康とお金は基本的に勝ち取るものであり、与えられるものではありません。

自ら行動し意識しなければ基本的には良くなることはないのです。

 

そういった知識はない方が多く、教育現場でもあまり重視されないため、そもそも知らない方が多いのが実情です。

 

「知らない者は探さない」

 

知らなければ問題があることも分からず、注意も払わないという意味です。

情報がどれだけ重要か、痛感する次第です。

 

実は海外では睡眠教育が採用されている国が多数あります。

幼少期から睡眠の重要性や健康被害等を教えるそうです。

 

我が国も、数式や実用会話に使えるか分からない英語より、金融や性、健康についてもっと教える必要がある気がします。

 

 

次回は睡眠不足や不眠への対策について書こうかと思います。

ではまた。

 

紅茶00 紅茶の効用

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紅茶「も」美味しい。

 

香りもさることながら、水色(すいしょく)も楽しく、

食事にも間食にも合う優れものです。

 

珈琲同様、紅茶にも健康的な効用があるのではとの報告があります。

しかし珈琲ほどではなく、特に緑茶の報告が日本では多いです。

 

なのでわかっている範囲で御紹介します。

 

 

1.紅茶の効用

紅茶に含まれる成分は、珈琲以上に多彩です。

効果もまだ十分に分かっていないことも多く、

統計学的に確度の高いものは殆どありません。

 

しかし日本を中心に、カテキンポリフェノールの効用が多数報告されています。

珈琲同様、日常生活に取り入れることは長期的な目線では利益があると考えています。

 

以下の様な報告が挙がっています。

 ・糖質と脂質吸収抑制→動脈硬化の抑制

 ・認知症の予防

 ・殺菌作用

 

糖質と脂質吸収抑制

両者ともポリフェノールの、特にフラボノイド類とフェノール酸の効果が多数報告されています。

フラボノイド類は6種類あり、その中のフラバノールにカテキンが含まれます。

 

食事に紅茶を追加した症例の血糖値が低下したことや、すい臓からのインスリン分泌が制御されたこと、果ては既に進行している動脈硬化に対する効果を指摘する文献もあるほどです。

 

上記を踏まえて、2,003年にはWHOからも正式に声明が出されました。

「血管障害リスクの低減機能は”possible”である」

とのことです。 

 

www.who.int

 

認知症の予防

これは他の成分と同様で、長期的な効果に関して確たる報告はありません。

しかし、珈琲と同様に抗酸化作用が指摘されており、それが遠因的に認知症の予防になる可能性が指摘されています。

 

こちらもカテキンによる報告が多く、緑茶が特に注目されています。

 

殺菌作用

こちらに関しては意見がかなり分かれています。

歯の記事にも書きましたが、マウスウォッシュで洗っても細菌叢は直ぐに元に戻ることを考えると、少量のお茶を飲んだところで臨床的に影響があるとは言えないと考えるのが普通です。

 

しかし近年、お茶由来のポリフェノールの定期的な摂取により、腸内細菌叢に変化があるとの報告が挙がっています。

当初はマウスでの変化のみでしたが、現在はヒトでの報告も見られるようになっています。

 

主な内容としては他の文献と同様、カテキンを栄養として代謝する良い細菌群が増えるためと考えられているようです。

食物繊維と似た要素を感じます。

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

2.摂取量と方法

推奨される量というのは現状ありません。

どちらかというと、カフェインの過剰摂取に注意する程度でしょうか。

 

参考値ですが、一般的な紅茶1杯には30㎎のカフェインが含まれ、珈琲は60㎎です。そう考えると、珈琲は4-5杯以下であり、紅茶はその2倍とすると8-10杯となるでしょうか。

そんなに飲む人はいないと思いますが。

 

摂取する時間は、食事の前後30分以内がい良いでしょう。

脂肪や糖質の吸収を抑えることを目的としているためです。

 

過剰摂取に関して、あまり気にしなくてもよいと思いますが、タンニンも注意が必要との記載がありました。

タンニンは鉄の吸収を抑制する作用があり、過量摂取では鉄分の吸収量が低下する可能性が示唆されています。慢性的な貧血がある人は積極的には摂取しない方がいいかもしれません。

 

余談ですが、紅茶も珈琲も基本的には暖かいものをお勧めします。

時折は清涼感を味わうためであればよいですが、習慣的には体を冷やすためです。

 

紅茶に関しては個人的に好きな銘柄が幾つかあるので、

今度別記事で書こうかと思います。

 

ではまた

筋肉量の低下と病気

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運動不足は不健康ですが、筋肉が少ないことが不健康だとはあまり言われません。

 

スポーツをしていない場合や近年の筋トレブームでもなければ、筋肉を鍛える人は限られます。

 

しかし近年、筋肉量の減少が病気につながる事が明らかになってきました。

また運動習慣がなく筋肉量が加齢に伴い減少する人が多く問題となっています。

 

今回はやや長期的な目線にたっての記事となります。

 

 

 

1.フレイルとサルコペニア

そもそも何故筋肉量が少ないと問題なのか。

筋肉のあるなしは見栄えは変われど、個人の趣味の範囲内だと思う人もいるようです。

 

また若い方は問題意識が現状ないため、そのまま歳をとり後から問題になる事が多いのです。

 

しかし加齢に伴い様々な病気に罹るにあたり、筋肉量との関連性が次第に示唆されるようになってきました。

筋肉量の減少により体重が減少した状態を「Sarcopenia ;サルコペニア」といい、それにより運動機能が低下した状態を「Frail syndrome;フレイル」といいます。

 

診断基準としては、

フレイルではFriedらの基準が、

サルコペニアではAWGS2019が用いられます。

 

〇Friedらの基準

 以下の内3項目以上該当でフレイル

 1-2項目でプレフレイル

 ・体重減少 半年で2-3kgの減少

 ・主観的疲労感 わけもなく疲労感があるか

 ・日常生活活動量の減少 運動習慣の頻度

 ・歩行速度の減弱 5m歩行で1m/s未満

 ・握力低下 男性26㎏未満、女性18㎏未満

 

〇AWGD2019 の基準

 

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診断基準の一部を抜粋したものになります。

太ももの太さを測り、握力の低下や、

椅子からの立ち上がり試験で陽性

であれば疑われます。

 

フレイルにより様々な病気が誘発されることが分かっており、

以下の様な報告が挙がっています。

 ・転倒と骨折

 ・末梢循環不全や冷え性

 ・動脈硬化の進行 

 ・心疾患(心不全等)の進行

 ・認知症

 

転倒と骨折

筋肉量の低下により運動機能が下がると、転倒とそれによる骨折の危険性が高まります。

特に歳とれば骨折が引き金で寝たきりになる方もいるため、大きな問題となっています。

 

末梢循環不全や冷え性

高齢者は勿論ですが、四肢の冷えは生活の質を大きく低下させます。

それらが様々な症状につながり、病院を受診するも病気ではないといわれ観察する方も多いでしょう。

 

動脈硬化の進行

未だ詳細は分かっていませんが、酸化ストレスの蓄積や慢性炎症、インスリンの効果が低下(インスリン抵抗性の上昇)することなどが報告されています。

 

joe.bioscientifica.com

 

それらにより、糖尿病や心筋梗塞脳梗塞認知症等を助長することが指摘され始めています。

 

そういった原因はある日突然出現するわけではなく、日々の積み重ねであることからも介入が難しいため、受診する際には既に病状が完成していることが殆どです。

 

心疾患の進行

筋肉量が低下した方では、心不全の発症率が多く、死亡率も高いことが分かっています。心機能が低下して運動量が下がり、それらが動脈硬化から脳梗塞に至る危険性も指摘されるほどです。

 

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

2.日本の現状

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   出典:第53会日本婁年医学会学術集会

 

上図は日本におけるサルコペニア罹患率と年代のグラフです。

既に40歳から20-30%の方がサルコペニアと診断されており、運動習慣のない方は他人事ではないのが分かると思います。

 

体重でよく聞くBMI(Body Mass Index)でもある程度推測ができますが、問題なのはBMIが正常でも筋肉量だけ少ない方が多いということで、日本ではその傾向が強いようです。

 

運動習慣という観点からみてみても同様のことが分かります。

スポーツ庁平成31年に発表した「スポーツの実施状況に関する世論調査」では、成人の週一回以上のスポーツ実施率は55.1%であったそうです。

 

「平成30年度スポーツ実施状況に関する調査」

https://www.mext.go.jp/sports/content/1413747_001_1.pdf

 

およそ半分で習慣がないわけで、時間が経過すればサルコペニアになるのは容易に想像できます。

若いころから習慣化しておく必要を強く感じています。

 

 

少し長くなりましたし、内容が重めなので今回はここまで。

次回は具体的な対策について書こうと思います。

 

ではまた。

 

 

 

 

 

珈琲の効用

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珈琲は美味しい。

 

朝飲めば胃が覚醒し、

体が動き始めるように感じます。

 

昼に飲めば気分が変わり、

甘い物との相性も抜群です。

 

珈琲には様々な成分が含まれており、

その効用が注目されています。

 

 

1.珈琲の成分

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       「珈琲焙煎の化学と技術」より

 

焙煎した豆の大半は、脂質や多糖類、蛋白質です。

カフェインやポリフェノール1%前後であり、

その少ない成分に効用があると言われています。

 

焙煎の深さによっても成分量が左右され、

深煎りでは少なく、浅煎りでは多くなります。

熱により上記成分が変性するためで、

糖類なども半分程度まで減少するため甘みも減るようです。

 

特にポリフェノール類は熱に弱く、

煎り方によって20-60%程減少するようです。

 

近年、浅煎りの珈琲が海外で人気となり、

日本にも輸入され店舗まで出てきています。

 

The third waveといわれるもので、

Bluebottle coffee等が有名ですね。

 

store.bluebottlecoffee.jp

 

浅煎りなため香りが強く、苦みや深みは少ない。

酸味が強く口当たりが良い特徴があります。

胃腸にも優しく、女性にも人気となっています。

 

 

ボディの効いたどっしりした味が好きな方もいますが、普段飲む分にはこちらの方がいいですね。

 

深い味わいを体全体で楽しむには、個人的にはミディアムローストが好きです。

 

2.珈琲の効用

上記の図のなかで、

効果がうたわれているのは以下になります。

 ・ポリフェノール

 ・カフェイン

 ・トリゴネリン

 

ポリフェノールは植物が光合成で作る化合物で、

現在8000種類以上確認されています。

フラボノイド類や単純フェノール類等があり、

珈琲には単純フェノール類に分類されるクロロゲン酸が含まれています。

 

効能としては以下が挙がっています。

 ・脂肪燃焼

 ・糖尿病予防

 ・老化予防

 ・動脈硬化予防 心筋梗塞脳梗塞

 

ポリフェノールの吸収効率は悪く、

緩徐な吸収が報告されています。

また、吸収が悪くとも腸内細菌により代謝され、

吸収が促進されることもわかっています。

 

つまり腸内環境が悪いと吸収量がさらに下がり、

肥満や糖尿病、動脈硬化の原因となるのではないかと考えています。

 

前回も書きましたが、腸内環境はあらゆる疾患と関わっていると考えられ始めています。

 

カフェインもほぼ同様ですが、脳細胞の保護や血栓の抑制、リラックス効果、疲労回復効果等も報告されています。

 

近年パーキンソン病患者の血中カフェイン濃度が低下しており、発病や進行との関連性が指摘されています。

 

しかし過剰摂取により、片頭痛の誘発や心疾患発症率増加、総死亡の増加等も報告されており、注意が必要です。

 

トリゴネリンは熱に非常に弱く、浅煎りでも殆どが変性してしまいます。

しかし近年、摂取により記憶力の改善が示唆される報告があり注目を集めています。

 

Trigonelline recovers memory function in Alzheimer’s disease model mice: evidence of brain penetration and target molecule | Scientific Reports

 

まだまだ可能性の段階ですが、

アルツハイマー認知症の原因となるアミロイドβを解くのではと考えられているようです。

 

3.推奨される摂取量

カフェインについては、

欧州食品安全機関(EFSA)は一日400㎎未満を推奨しており、

レギュラーコーヒー4-5杯がこれに該当します。

 

他に関しては特に推奨量はなく、

まだまだ精査段階となっています。

 

それでは

体を温める生薬、食材

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日常的に体が冷える場合、

普段の生活習慣や食習慣が強く影響しています。

 

日々の食事により、体温が変化します。

何気ない生活が日々の生活の質を下げることがあり、改善が必要です。

 

 

1.乾姜(かんきょう)

生姜の皮には体を冷やす効果があります。

「辛散(しんさん)」と言い、体表の熱を放散させ体温を下げるのです。

 

そのため、体が冷えると言って生姜を大量に摂取すると、かえって冷えを招くことになります。

 

逆に乾燥させた生姜には温める作用があるため、

東洋医学では「乾姜(かんきょう)」が使用されます。

 

乾姜は裏の寒の改善や局所貧血の調節を行うといわれます。

「裏」とは体の内面、主に横隔膜や上部消化器をさします。

 

私も自宅で作っており、とても簡単に作ることができます。

生姜を1㎝厚に切り、晴れた日に天日干しにするだけです。

 

 

 

 作るのが面倒な方はこちらをどうぞ。

 

 

使い方としては、以下のようなものがあります。

 ・白湯にいれて飲む

 ・料理に入れる

   粥、スープ、いためもの等

 

私は週1,2度、朝食を中華粥にしています。

乾姜、棗を入れ、帆立貝柱と海老を入れ、もち米を混ぜます。

鳥の胸肉を入れるのもお勧めです。

作り方等は後日また記事にします。 

 

2.附子

読み方は「ぶし」になります。

トリカブトの子根を処理し、毒性を除いたものになります。

 

トリカブトは強い毒性で有名ですね。

ギリシャ神話では、地獄の番人ケルベロスの涎から生まれた植物と言われています。

 

附子はいわゆる温裏薬(散寒薬)と言われます。

強心作用や血管拡張作用、交感神経亢進、抗炎症、鎮痛等があります。

 

附子には厥冷(けつれい)に良いといわれます。

厥冷とは、四肢末端より冷えが上がってくる状態を指し、冷えの型で言うと四肢末端型に該当します。

 

こちらは気軽に摂取することが難しいため、

主に漢方薬で使用します。

 

3.食材

その他以下の様な食材には温熱性があると言われています。

 ・香辛料 桂皮(シナモン)、山椒

      大蒜(にんにく)、葱(ねぎ)

      八角スターアニス)、松の実

 ・黒砂糖

 ・羊肉、鶏肉

 ・海老

 ・もち米、南瓜、人参、蓮根

  パプリカ、キャベツ

 ・栗、ナッツ類

 ・紅茶、烏龍茶、ココア

 

平時の砂糖を白糖ではなく黒糖にしたり、

鶏肉を積極的に摂取したり、

秋冬に南瓜を摂取したり、

春キャベツを摂る等が簡単でよいでしょう。

 

紅茶もお勧めです。

紅茶のことは後日詳しく記事にする予定です。

 

ではまた。

 

四肢の冷え

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友人から手足が冷えると相談を受けました。

 

暖房をつけているし靴下も履いているのに、

先端が底冷えするとのことでした。 

女性も勿論ですが、男性や高齢者でよくみられる症状です。

 

日本のとある統計では、

20~25歳で四肢の冷えを自覚する女性は6-7割に上るそうです。

不思議なのは、四肢の冷えを自覚している患者では、問診表で肩こりや頭痛、便秘、月経不順等を伴うことが多いといわれます。

 

体が冷えるだけで日常生活の質が下がり、日々悩まされることになります。

 

 

1.冷えの種類

体の冷えには以下の型があると言われています。

 ・全身型

 ・四肢末端型

 ・上熱下寒型

 ・体幹異常型

 

全身型では、代謝の低下により体温自体が全身性に低下するものを指します。

倦怠感も強く、内蔵も冷えています。

十分な休息をとり、手足や腹を温めることが必須です。

軽い有酸素運動を行い冷食を控え、腹八分目にすることが推奨されます。

葱や生姜等、温める食品を摂取するとよいです。

 

四肢末端型は若年者に多く、筋肉量の不足や食事量低下に起因することが多いと言われます。

直接温めることや、冷やさないよう下着等を工夫すること、夜更かしや生活の乱れを是正する必要があります。

 

運動不足の解消のため有酸素運動を習慣化し、筋肉トレーニングにより筋量の増加を図ります。

 

上熱下寒型は下半身が冷え、逆に上半身が熱い場合です。

気血の巡りが悪く、のぼせや火照りを訴えます。

イライラや頭痛、肩こりや肌荒れを伴うことが多いです。

 

精神的な要素が関わっており、その原因を除くことやリラックスが必要です。

長時間座位の仕事やタイトなスーツ等も原因となります。

冷食を控え、糖質や脂質を控え、食物繊維や酢の摂取が良いといわれます。

 

体幹異常型は慢性的なストレスによることが多いです。疲労があるものの眠れず、集中力が低下している状態です。

様々な症状(不定愁訴)を伴い、病院を受診することがあります。

 

気分転換や深呼吸、就労環境の改善が必要です。

テレビやPC,スマホの使用を控え、十分な飲水と入浴が推奨されます。

香り高い柑橘系や生姜、香草等が有効です。

 

2.対策

有酸素運動

まずは運動習慣をつけましょう。

他の記事で詳しく書きますが、有酸素運動の効能は多岐にわたります。

可能な限り若いころから習慣化し継続することが、将来的にも重要です。

週1度以上、30分以上持続し、心拍数>100/分程度の運動が良いと言われます。

 

 

詳しく知りたい方は、

上記厚生労働省が作成している「健康日本21」をご参照下さい。

 

筋肉トレーニング

筋肉に負荷をかけることで、維持ないし増強が必要です。

こちらも別の記事で書きますが、近年筋肉量の減少が様々な疾患につながるため問題となっています。

 

最も効率のよいスクワットを週1で行うのが良いでしょう。四肢末端型ではふくらはぎの筋トレも重要です。

 

スクワットの注意事項ですが、腰をまっすぐ落とし、膝がつま先より前に出ないようにすることが重要です。

 

【腰痛改善】スクワットで腰を痛める原因は?改善策と正しい方法を解説 | RETIO BODY DESIGN

 

温める

古典的ですが非常に重要です。

日中の恰好では、首や手首、足首を露出しないことや、在宅中や就寝時に保護する必要があります。

 

特に風呂上りは冷えやすいので、

早めに保護して冷やさないようにすることが重要です。

 

 上記のような商品を、冷えの型に合わせて組み合わせると良いと思います。

 

それでも布団の中で足先が冷える場合は、湯たんぽがお勧めです。

直接温めることが一番効果的です。

 

 

食事

過食や糖質/脂質の摂りすぎ、水分量の不足は是正が必要です。

逆に、歪なダイエットにより炭水化物やタンパク質量が少ない場合もあり、体を維持するためには必要なためある程度は摂取が必要です。

 

夏であっても冷たいものも基本的には推奨されません。清涼感はありますが、内蔵が冷えて全身の調子が悪くなるためです。

 

中国人はこの事に敏感で、冷たいものを摂取したがりません。

日本に来た中国人が日本の弁当文化を絶賛していましたが、唯一冷えている事が欠点だと指摘していたのは有名な話です。

 

白湯を飲む習慣は有効です。

朝起きた際に一杯の白湯を飲むことで、代謝上昇を早め内臓を温めます。

温めるための食材については別の記事で書こうと思います。

 

漢方薬

こういった類の症状に対して、西洋医薬はあまり効果がありません。

そもそも西洋医学は、症状の原因を突き詰め、その特定の原因に対して鋭く単一の薬剤を使用することが多い学問です。

 

そうなりますと、生活習慣の悪化に路る諸症状や、特定できないような多彩な現象に対しては有効とは言えません。

 

ある程度処方経験のある医師でもよいですが、

可能であれば漢方の専門医に相談することをお勧めいたします。

 

 

結局は上記の様な習慣が重要であり、

何か一つの薬や食材で簡単に治るものではないということです。

日々の生活に取り入れ、未病の予防に努めてください。

 

ではまた

睡眠00 ~昼寝~

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昼寝の習慣はありますか?

 

北欧では企業でも推奨しており、昼に会社の照明を落とし、わざわざ時間を設けているところもあるそうです。

 

昼寝の効用はかねてから報告があり、日本にも「盗人の昼寝」なんて諺も一応ありますね。

 

 

1.昼寝の効用

 以下の様な報告が挙がっています。

 ・高血圧症の予防→動脈硬化抑制、心疾患抑制

 ・認知症予防

 ・寿命の延長

 

まだ信頼性の高い報告は少ないですが、

いわゆる疫学研究含め、報告は多数あります。

 

伝統的に昼寝をする習慣があるのはスペイン語圏に多く、世界で30か国あるようです。

しかし最近は生産効率上昇のため廃止の動きにあるとか。

 

日本でも厚生労働省から、「健康づくりのための睡眠視診2014」が発表されており、

午後早い時間に30分以内の睡眠を推奨するとなっています。

 

  

NASAも宇宙飛行士に関する研究で、昼に26分仮眠を取るとその後の認知/注意能力が向上したという報告をしています。

 

science.nasa.gov

 

無論これは短期の効果で、非高齢者が対象です。 

 

私が最近注目したのが、

若年者でも睡眠不足で脳内にアミロイドβが蓄積し、それが記憶力と関連しているというものです。

 

アミロイドβとは、簡単に説明するとアルツハイマー認知症の原因とされている脳内蛋白質のことです。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

昼寝によりアミロイドβの蓄積やそれによる損傷を減らせるとしたら、脳の加齢を抑制できるのではないかと妄想しています。

 

私は常々若年からの生活習慣やその蓄積が高齢になった際の疾患と関連していると考えています。

その観点からも、夜間の睡眠の質のみならず昼寝は有用かもしれません。

 

2.昼寝の方法

・時間は15-30分

・姿勢は座って

 

幾つかの報告では、

昼寝時間の長い症例(>40~60分)で2型糖尿病動脈硬化が強い傾向にあると報告されており、死亡率に関しても同様の報告があります。

 

また、食後頭を低くすると胃酸が逆流して逆流性食道炎になります。食道癌等のリスクが上がるため推奨されません。

椅子に座って前に突っ伏す姿勢も同様です。腹圧も上がり同様の現象が起こると言われています。

 

3.昼寝グッズ

上記を踏まえると、いわゆるネックピロー型が良いと思います。

テンピュールなんかは比較的有名ですね。

 

 

睡眠については今後また詳しく記事にします。

 

ではまた。